MaaSは何か MaaSは観光業においてどう展開できるのか

日時:
2022年11月24日(木)19:00~20:00
講師:
株式会社JTBコミュニケーションデザイン コーポレートソリューション部 プロデュース局 エグゼクティブプロデューサー(MaaS領域事業開発プロデューサー) 黒岩 隆之氏

参加人数:会場16名、オンライン13名、懇親会10名

MaaSは何か。MaaSは観光業においてどう展開できるのか。
言葉は聞いたことはあるけれどもどういうものかよく分からなかったのですが、聞けば聞くほどおもしろく、観光産業とも相性がいいことが発見できたのは大きな収穫でした

MaaSとは自家用車以外のモビリティサービスのこと。バスや鉄道、飛行機などの公共交通サービスやタクシーなどが該当するのですが、それをどの場所で誰のために何を組み合わせるかによってビジネスモデルが無限に広がる可能性があり、遠い誰かのものではなく私たちの身近なものだということに気付き、(私にとって)ぼんやりとしたものだったMaaSが急に輪郭を持ち始めたように感じました。

車を使うとエネルギー破壊につながるので車を作らないことにした代わりに自国内でエネルギーやお金が回る方法をITで考えたフィンランドや、荷物を配送するためにインバウンド客の旅程表をクラウドに登録させることで集めた情報をPUSH型配信に活用するラゲージフリートラベルの仕組みなどいろいろな事例を紹介していただきましたが、一番面白く感嘆したのは日光。東照宮や男体山への観光客が渋沢栄一の電気機関車で増え、また足尾銅山で利用した水力発電のエネルギーを電気機動車に活用して中禅寺湖へ走らせたことで、外交官たちが避暑地として訪問し、その地でホテルやパン職人などの新たなツーリズムが生まれるという、サステナブルツーリズムとMaaSが明治時代にすでに出来上がっていたことにいい意味で驚きました。課題もあったそうですが、サステナブルやMaaSといった言葉ができるよりもずっと前にこういう概念があったことは日本人としても誇らしく、また観光の原点を知ることができたように思います。

観光業に携わる人だけではなく社会全体にもMaaSの概要が広まり、多くの人の関心事になってほしいと改めて感じました。凡人の頭ではなかなかアイディアが出てこないですが、MaaSについてもっと勉強して一端を担えるようになりたいと思います。
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