JWTC&JATA 第7回勉強会

2016年11月8日(火) 参加者72名(JATA18名、JWTC17名、ビジター37名)

「旅行業の未来を拓くコーチング活動」

株式会社ジェイアール東海ツアーズ 代表取締役社長 吉田 修氏講演

変化の激しい旅行業界で、会社の繁栄と社員の幸福を実現するためには、旧国鉄から受け継いだ保守的な企業文化を、お客様本位で社員の主体的行動重視に変えなければと考え取り組んだ株式会社JR東海ツアーズ取締役社長吉田修氏の改革を大いに語っていただきました。

JR東海ツアーズは1990年にJR東海の駅旅行センターを分離独立させて創業した。当時は旧国鉄採用の男性出向社員が大多数を占め、ルールはきちんと守るが接客は不得手な社員もいて、次第に指示待ちの保守的な社風が形成されていった。

このままではいけないとの危機感から、2010年に「お客様に選択される高収益の旅行会社+社員が自ら考え行動すること」を目指した経営理念を制定し、人事賃金制度も成果給方式に改めるなど意識改革の取組みを始めたがうまくいかなかった。2年後に、NHKクローズアップ現代で、キリンビール社長が自社の保守的社風を改革するためのコーチング活動を熱く語っている姿が目に留まった。

社員のモチベーションを高め目標達成に導くコーチング活動を開始する戦略に出た。社章、ブランドロゴ、制服を刷新し、本社移転統合、大規模組織改革を行うなど変えられるものはすべて変えるくらいの勢いで社風改革を行い現在に至っている。(現在の公式認定コーチは約100名)

ティーチングが自分の持つ知識・技術を伝えるのに対し、コーチングは相手の持っている能力を引き出すマネジメント手法。コーチの質問に答えていくうちに頭の中が整理され、自分が真にやりたい事、やるべき事に気付かされ、自ら考えるようになった。長年染み付いた行動習慣を変えるのは大変だが、社長、全箇所長が、本社・支店間クロスコーチングに取組む一方で、「変わる取組み」を行っている。加えて「私と職場」7項目のアンケート調査を定期的に全社員から行い、評価点などを公表することで、「変わること」を促進させている。そんなことを行っていたら、ママさんミーティングが活性化し、ダイバーシティ活動が自然に始まった。自発的に始まったことに驚くとともに、業績も向上して大変喜んでいる。(談)

講演の最後に、経営理念推進リーダー事務局の吉村課長が紹介されました。「女性の活躍でツアーズは強くなる!」 との女性活躍法に基づく行動計画に触れ、「グループミーティングを活用してお互いに助け合い、生き生きと働ける理想の職場を求めてまいります。」と宣言。吉田社長の取り組みが実を結んでいる。

吉田社長の強い信念の元、社員の潜在能力を引き出し目標達成に導くコーチング活動導入の様子を熱心に聞き入る会場の参加者たち

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